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井之頭病院最寄り駅の名所がまたひとつ消える


当院の最寄り駅でもあるJR三鷹駅の約400メートル西に、線路をまたぐように架けられている「三鷹市跨線橋」を皆さんはご存じでしょうか?

 

1929(昭和4年)、旧鉄道省が現在の三鷹車両センターの前身、三鷹車両庫を開設する際に人の往来を確保しようと建設されました。

 

鉄鋼不足から明治、大正期の古レールが再利用されているそうです。いたってシンプルな作りですが、なんとも言えない趣があります。

 

晴れた日には遠くに富士山を眺めることができ、跨線橋の下側は通過する電車の様子が見えやすい構造になっており、

 

小さい子どもだけでなく大人でも通過する電車を眺める工夫がされています。

 

時々運転士が警笛を鳴らしたり、手を振ってくれる時もあります。

 

鉄道ファンの間ではちょっとした「撮り鉄スポット」として有名な場所になっており、写真や動画に収めている姿をよく見かけます。

 

現在もほぼ昭和初期の姿をとどめておりますが、耐震性の観点から地震の際は通行できない旨が掲示されており注意は必要です。

 

三鷹跨線橋を語る上で話題に欠かせないのが、作家・太宰治(1909~48)の存在です。

 

太宰は昭和14年に三鷹に引っ越してから跨線橋に何度も通ったことで知られております。

 

「ちょうどいい所がある」と友人らを案内したと伝えられ階段を降りる姿が写真に残され橋下に展示されてあります。

 

ここで太宰は何を思い、考えて執筆活動を進めていったのか跨線橋でしばらく考えてみましたが、思い浮かびませんでした。

 

三鷹跨線橋も近年老朽化が進みJR東日本は解体・撤去の方針を決めており、撤去の際、橋桁の一部を三鷹市が用意する

 

近くの土地に移設して保存し階段の一部も現場保存すると発表されましたが撤去時期は未定です。

 

現代の車両は省エネ、ハイテク化が進み今後は中央線にも2階建ての車両が登場する予定で、

 

輸送効率のさらなる向上が期待されることからも利便性や人気は今後も続くことでしょう。

 

跨線橋を渡って通過する車両を眺めることができるのもあとわずかかもしれません。

 

鉄道ファンならずとも三鷹にあった思い出の地がなくなる前に目に焼き付けておきたいものです。

 

 

2-6病棟 乗り鉄


2023年10月6日

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