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猫にも効く抗うつ剤


私は猫が大好きで、親元にいる18歳の時から40年近く、猫と暮らし続けています。
昨年夏、子猫の時から18年一緒に暮らした猫が天寿を全うし、新たに猫をもらいうけました。
前の猫もそうでしたが、今度の猫も動物愛護団体からもらった保護猫です。

 

新しい子は4歳で、西東京の民家でご飯をもらっていた大人の猫でした。
団体のホームページにの出ていた写真を見て、長い毛とサビ柄、クセのある顔つきに一目惚れ。
名前はモフモフの姿から、「もふこ」と名付けました。

 

来る前から臆病な性質と聞いていましたが、初めの緊張は予想以上でした。
来て数日は全く食べ物に口を付けません。
猫は食べないと決めたら死んでも食べないような所があり、事態は深刻でした。

 

動物病院の先生に相談し、レメロンという薬を飲ませることになりました。
レメロンと聞いて驚いたのは、人間の抗うつ剤だったからです。

 

レメロンは、うちの猫のように、精神的な理由から食事がとれない場合に使われる薬だとのこと。
体重は、人間の10分の1ですから、人間が毎日1錠飲むところ、4分の1錠を3日に1回飲ませる指示でした。
そして、薬を飲ませると効果覿面!クローゼットの奥にひきこもっていた猫が外に出てきたのです。

 

そして、がつがつとキャットフードを食べるその姿に、私はぽかんとしてしまいました。
動物に人間の抗うつ剤、と聞くと驚く方も多いでしょう、でも実際は、動物医療で使う薬の多くは人間の薬。
人間の薬を使うこと自体は、決して珍しくはないのです。

 

結局1ヶ月以上レメロンを使い、食欲は安定しました。
大事を取って少しずつ量を減らし、薬がなくても食べられるようになりました。
人間の場合、いろいろなことを考える分、薬効が単純に現れない傾向があります。

 

薬が効き始めると、スイッチが入ったように活動を始めるもふこを見て、「ああ、本当に薬は効くのだな」と不思議な感動を覚えました。
いろいろ心配もしましたが、動物医療に抗うつ剤が活用されている現状を知ることができました。
これも看護師としては、貴重な体験。

 

今も怖がりですぐにベッドの下に隠れるもふこと、楽しく暮らしています。

 

 

 

 

訪問看護室 猫好き中年看護師


2020年1月21日

“猫にも効く抗うつ剤” への1件のコメント

  1. 田中 より:

    こんにちは。興味深い記事ありがとうございます。
    うちの猫は、尿管結石と診断され、通院のストレスでか、鬱のような状態で、引きこもりがちです。
    セルトラリンという抗うつ薬でも同じような効果が発揮されますか?ぶしつけな質問で申し訳ないです。

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